PackerでAnsibleを利用する方法
[Packer](https://www.packer.io/)と[Ansible](https://www.ansible.com/)は、それぞれイメージビルドと設定管理のための強力なツールです。これらを組み合わせることで、効率的なイメージビルドプロセスを実現できます。以下に、PackerでAnsibleを使ってAWS EC2 AMI(Amazon Machine Image)を作成する簡単な例を示します。
1. **Packerのインストール**: Packerの公式ウェブサイトからダウンロードしてインストールします。
2. **Ansibleのインストール**: Ansibleもまた、公式サイトやパッケージマネージャを通じてインストールできます。
3. **Ansible Playbookの作成**: まず、環境を構築するためのAnsible Playbookを作成します。
# playbook.yml --- - name: Setup web server hosts: all tasks: - name: install nginx apt: name: nginx state: present
4. **Packer設定ファイルの作成**: Packerで使用する設定ファイル(JSON形式)を作成します。
{ "builders": [ { "type": "amazon-ebs", "region": "us-east-1", "source_ami": "ami-0c55b159cbfafe1f0", "instance_type": "t2.micro", "ssh_username": "ubuntu", "ami_name": "web-server {{timestamp}}" } ], "provisioners": [ { "type": "ansible", "playbook_file": "./playbook.yml" } ] }
この設定ファイルでは、AWSのus-east-1
リージョンでt2.micro
インスタンスを使用しています。AMIのソースとしてはami-0c55b159cbfafe1f0
(Ubuntu 18.04)を使用しています。
5. **Packerビルドの実行**: 作成したPacker設定ファイルとAnsible Playbookが同じディレクトリにあることを確認した上で、以下のコマンドを実行します。
packer build <your-packer-config-file.json>
以上の手順により、PackerとAnsibleを使ってAWS EC2用のカスタムAMIが作成されます。このAMIにはnginxがインストールされています。
この例は非常に簡単なものですが、より複雑な設定や多数のPlaybooks、ロール、変数などを用いることもできます。必要に応じてPacker設定ファイルやAnsible Playbookをカスタマイズしてください。
WindowsクライアントPCで実行するには?
WindowsクライアントPCでもPackerとAnsibleを利用することは可能です。以下にその手順を簡単に説明します。
### Packerのインストール
1. Packerの[公式サイト](https://www.packer.io/downloads.html)からWindows用のバイナリをダウンロードします。
2. ダウンロードしたZIPファイルを解凍し、packer.exe
をPATH
が通っているディレクトリに移動させるか、フルパスを指定して利用します。
### Ansibleのインストール
Ansibleは基本的にはLinuxやMac向けのツールですが、[Windows Subsystem for Linux (WSL)](https://docs.microsoft.com/en-us/windows/wsl/install)や[cygwin](https://www.cygwin.com/)を通じてWindowsで動作させることができます。
1. WSLをインストールした後、WSL上でLinuxディストリビューション(Ubuntuなど)をセットアップします。
2. Linuxディストリビューション上でAnsibleをインストールします。
### 実行
PackerとAnsibleの設定が完了したら、先程の例のようにPackerのJSON設定ファイルとAnsibleのPlaybookを作成します。
1. WSL内かcygwinのターミナルを開き、Packerの設定ファイルとPlaybookがあるディレクトリに移動します。
2. packer build <your-packer-config-file.json>
コマンドを実行します。
これで、WindowsクライアントPC上でもPackerとAnsibleを利用してイメージをビルドすることができます。ただし、この方法ではWSLやcygwinを必要とするため、それらのセットアップに少し時間と手間がかかる可能性があります。
WSLを利用しないとansibleを実行できないのか?
Ansibleは基本的にLinuxやUnix系のOSで動作するツールですが、Windowsで直接実行する場合の代替手段もいくつかあります。
1. **Docker**: Ansibleを含むLinux環境をDockerコンテナとして実行することができます。これにより、Windows上でAnsibleコマンドを使ってプロビジョニングを行うことができます。
2. **Cygwin**: CygwinはWindows上で多くのGNU/Linuxツールを使用できるようにする環境です。AnsibleもCygwin上で動作する場合がありますが、これは一般的には推奨されていない方法です。
3. **Virtual Machines**: 仮想マシン(VM)上にLinuxをインストールし、その中でAnsibleを実行するという方法もあります。
4. **Remote Execution**: Ansibleは、実行環境がWindowsであってもリモートのLinuxマシンに対しては動作します。したがって、WindowsマシンからSSHでLinuxサーバーに接続し、そのサーバー上でAnsibleを実行するという方法もあります。
5. **Ansible Tower / AWX**: Ansibleの商用バージョンであるAnsible Towerまたはそのオープンソース版のAWXを使用すると、WebブラウザからAnsibleを管理・実行できます。これにより、どのOSからでもAnsibleを使用することができます。
これらの手段を使えば、WSLを使わずにWindows環境でAnsibleを実行することも可能です。ただし、これらはいずれもWSLを使う場合よりもセットアップが複雑であったり、限定的な機能しか提供しない場合があります。