LXDとDockerはともにコンテナ技術を用いていますが、目的や設計の観点からいくつかの違いがあります。

### 目的と設計思想

- **Docker**: 主にアプリケーションの配布と実行に特化しています。Dockerコンテナは通常、単一のアプリケーションとその依存関係を含みます。
- **LXD**: システムコンテナに特化しており、仮想マシンに近い機能性を提供します。LXDコンテナは、完全なLinuxシステム(複数のプロセス、システムサービスなど)を実行できます。

### イメージとリポジトリ

- **Docker**: Docker Hubという広範な公式・非公式イメージリポジトリがあります。
- **LXD**: イメージは通常、Linuxディストリビューションごとに用意されています。LXDの場合も公式・非公式なリポジトリが存在しますが、Docker Hubほど広範ではありません。

### リソースの分離

- **Docker**: 通常、各コンテナが特定のアプリケーションを実行するように設計されています。
- **LXD**: 各コンテナは、完全なOS環境を模倣するため、複数のアプリケーションとサービスを実行できます。

### セキュリティ

- **Docker**: 基本的にはルート権限(root)でコンテナが実行されますが、最近のバージョンでは非ルートでの運用も可能です。
- **LXD**: ユーザーとグループを持つ完全なOS環境を提供するため、ルート以外のユーザーでサービスを実行することもできます。

### インターフェースとAPI

- **Docker**: Docker CLIとDocker Compose YAMLファイル、またはREST APIを用いて操作します。
- **LXD**: CLI、REST API、またはLXDのYAML形式の設定ファイルを用いて操作します。

### ストレージとネットワーク

- **Docker**: ボリューム、オーバーレイネットワーク、スワームなど、多くの内蔵オプションがあります。
- **LXD**: ZFS、Ceph、LVMなど多くのストレージバックエンドをサポートしています。また、ブリッジ、MACVLAN、VLANなど、多くのネットワークオプションもサポートしています。

### 互換性と可搬性

- **Docker**: Docker for Windows、Docker for Macなど、多くのプラットフォームで利用可能です。
- **LXD**: 主にLinux上で動作しますが、WindowsやMac上で動作させるためのソリューションも存在します(通常は仮想マシンを介して)。

両者はそれぞれ特定の用途に特化していますが、一部の用途では相補的にも使用できます。たとえば、LXDコンテナ内でDockerコンテナを実行するといった方法もあります。

 

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